名古屋っ子の殆どが知らない屋台村にある長年続く居酒屋
時が本当に止まっている場所がある。ここは金山駅から5分くらい歩いた場所。駅付近の喧噪からは離れていて少し静かな場所にある。外観の大きな看板「金山センター」の文字は色褪せていて、派手なラーメン屋やスープカレー屋の看板が無ければ、多くの人は廃墟と認識して通り過ぎると思う。
金山センター屋台村内を散策すると、スープカレー屋はそこそこ客が入っていたが、多くの店は閉じられたままで、ラーメン屋も1名しか客は居なかった。後で聞いたら、20時にオープンするようなショットバーがあったり居酒屋も、もう一店舗ほどあるという。
店の雰囲気
店の引き戸は開いていて、先客は1名。カウンターのみで8名くらいしか入れない小さな店。女将さんが一生懸命、おばんざいを作っている最中だった。ファーストオーダーは瓶ビール。
勢いよく栓を抜き、一杯目は女将さんが注いでくれる。こういうサービスは地味にうれしかったりする。カウンターの上には大皿やタッパーに入れられたおばんざいがところ狭しと並んでいてどれも美味しそうだった。
口取りはきんぴらごぼうだけどいい?
と、聞かれ「口取り」の意味が分からなかったが、いわゆるお通し的なものをそう呼ぶということが分かった。
このきんぴらは完全な手作り。ごぼうの切り方は不揃いだし、味付けも濃いめ。女将さんは関西の出身だけど、ここ名古屋に店を出してから、味が薄い、薄いと客から言われ続けて、だんだんと味付けが濃くなってしまったと言っていた。続いて大皿料理から注文。
ぶりの卵は初めて食べた。煮たたらこと同じような淡泊な味がする。女将さんに休みや営業時間について聞いてみると
休みは一応、日曜日と祝日ね。店を開けるのはだいたいこんな時間で、終わりはお客さんが帰ったらだね。大体12時くらいかな・・・それよりも早い時もあるし。これでも結構忙しくて、明日も予約入ってるから開けないとだしね・・・。
こうやって今時、一から手作りで料理出しているお店は少ないでしょ?こんな物でも好んで、ちょくちょく来てくれるお客さんも居てね。私がおしゃべり好きだから、お客さん誰とでもしゃべってしまうのだけど、嫌じゃなきゃまた来てね。で、みんなに宣伝しておいてね。
要約して・・・こういう風に言っていたと思う。この時19時を少し回ったあたりだったと思う。この後ビールをもう1本追加する。
ネット上には「金山センター屋台村」も「みつ福」も殆ど情報がない。金山から徒歩で5分の距離にあるのに、ここは時が止まっている。名古屋、愛知いや日本のいたる所に時間がゆっくり、とてもゆっくりと流れている場所があるのだなと実感した。
そんな店にも新しい元号か飾られていて、でも元号を飾ることがレトロな印象を受けて不思議な感じがした。女将さんはお店を宣伝してねと言っていたのは、そりゃ生業を続けるために儲けたいという気持ちがあるとは思うけど、それよりも沢山の人とおしゃべりをしたいということなんじゃないかな?と思った。このカウンターがいっぱいになって、お客さんの笑顔があふれている、またそういうお店にしたいのだと思う。
この店のまとめ
- 金山センター屋台村の一角
- 一から手作りのおばんざい
- おしゃべり好きな女将さん
基本情報
- 店名 : みつ福
- 住所 : 愛知県名古屋市中区金山1-8-3
- 営業時間 : だいたい17:00-24:00(お客次第)
- 定休日 : 日曜・祝日
- 予算 : 2,500円以下
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