せんべろ居酒屋や安くて美味しい食堂を探してコスパ重視の沖縄ひとり飲み歩き旅
前日まで
お盆休みに計画していた沖縄旅行はフライトのキャンセルや渡航自粛の影響もあって行くことが出来なかった。2020年はお盆休みに9連休を取ってもおかしくないカレンダーで長期旅行をしたい人にはなかなか無いチャンスだったと思う。けれど、コロナ禍の影響でふるさとに帰省するのも控えて欲しいというような世の中の風潮があって行くことは叶わなかった。人は押さえつけられたり、制限をされると余計にそれをしたくなる。お盆に行けなかったので、このシルバーウィークで必ず行こうとかなり前から目論んでいた。とは言え、仕事の予定を調整したり、現地でも少しは仕事をしなければならず、フルで楽しめないかもしれない。それでも自分にとっては沖縄で生活する、寝起きするということに価値があって、それだけでも嬉しい限りだ。
今回フライトはジェットスターで初めて予約した。今までは予約の簡単さと運賃の分かりやすさでずっとスカイマークを利用していた。スカイマークなら、座席指定・預入荷物・空港使用料などパッケージになっていて非常に分かり易い。一方、ジェットスターは見た目の価格は安いが、あれやこれやと足していくと、初めに確認していた料金と大幅に変わってくるので、逆に割高に感じてしまう。それでも最終的に比較すると20%くらいはジェットスターの方が安いのだが、なんか「裏切られた感」が沸いて、少し高いがスカイマークを使っていた。しかし、今回はフライトを予約する時点で安いチケットは満席。コロナの影響もあって減便しているのもあったし、価格を比較しても2倍くらい高かったのでジェットスターを選んだ。そして席は予約せずに手荷物預けを往復で予約した。
宿泊先はホテルを予約。前回の5泊6日はAirbnbで民泊してみたが自分にはちょっと衛生的に無理だった。水回りや食器、ソファーやベッド、しっかりと掃除されているのだろうけど、期間中なんか嫌な感じがした。結局、キッチンなどの設備があったとしても夜も朝も外食するわけだし、見た目の金額は安いけど、清掃代など含めると安いビジネスホテルとあまり変わらない。そして今回はGo Toトラベルの割引があるのでホテルに宿泊した方が断然安かった。
楽天トラベルを利用して予約したのは「那覇ウエスト・イン」ウェブ上で見ている限りではすごくきれいなホテル。場所は国際通りから少し離れた場所にあるけど、前回泊まった場所と同じエリアで雰囲気も良く分かっているのでここに決めた。すぐ近くに「かわひら」というお惣菜屋があったり、「高良食堂」というお気に入りの店もある。この地域は那覇の歓楽街のようで松山地区と呼ばれるエリアが近い。そして1泊の値段はGo Toトラベルと楽天スーパーセールを活用して4,000円以下になったので安く済ませることができた。
そんな感じで予約が整ったのは出発の1週間ちょっと前。そして今日は出発の3日前。今日の仕事が終われば連休に突入するので気持ちはもう沖縄に飛んでいる。とても楽しみだ。
旅行1日目
始発に間に合わせるように家を出る。地下鉄の始発では手荷物預け締め切り時間ギリギリになってしまうので、少し遠くにあるJRの駅まで薄暗い道を歩いて向かう。これで空港についても7時のフライトまで余裕があると思っていた。そして難なく空港の駅まで到着。
ジェットスターはT2(ターミナル2)なので改札を出ていつもとは違う方向に歩き始める。噂に聞いていたがT2は恐ろしく遠い。動く歩道がサポートしてくれるが歩く、そしてひたすら歩き、途中「フライトオブドリームス」を横目に見ながら、やっとチェックインカウンターまで到着した。ここで細かく書くのはやめておくけど、搭乗ゲートから飛行機に乗るまでも階段を下りたり、上ったり、「これもうわざとやっているのではないの?」と思うほど長い通路を歩かされる。約2時間のフライトで沖縄那覇空港へ到着した。乗り心地は賢者モードに徹すればいいか・・・という感じ。海外でも台湾、韓国辺りであれば耐えられるけど、それ以上に遠いエリアはちょっと難しいかなと思った。
名古屋を出るときは肌寒かったけど那覇の天候は快晴!自分的には嫌いではない南国特有の蒸し暑さだった。慣れたように空港からゆいレール(モノレール)に乗り換え旭橋駅を目指す。改札内にコインロッカーがあるのでキャリーバックを預けて、首里を目指した。首里に到着した時、11時をすでに回っていた。そうそうに腹ごしらえをすべく、宿題店の「あやぐ食堂」に入った。
那覇市首里「あやぐ食堂」
前回来た時にこの店に入るつもりだったのだけど、「首里そば」に行ってしまってここでは食べられなかった。首里そばも相当美味しかったので、また行くか迷ったがここにした。店内はすでに家族連れや、地元の人で賑わっていて観光客は自分ひとりだけだった。何を注文しようか非常に迷ったけど沖縄1発目のご飯はこれにした。
ゆし豆腐とは、にがりを入れて固まりはじめた、型に入れる前のふわふわした島豆腐のこと。沖縄屈指の癒し系食材で二日酔いの時とかに食べるとよさそうな感じ。 定食にはマグロの刺身とチキンカツにご飯が山盛りで690円。ゆし豆腐には野菜がごろごろ入っていてこれだけでもお腹いっぱいになる感じ。付け合わせ?のチキンカツもとても美味しく大満足だった。
基本情報
- 店名 : あやぐ食堂
- 住所 : 沖縄県那覇市首里久場川町2丁目128−1
- 営業時間 : 9:00-18:00
- 定休日 : 水曜日
- 予算 : 1,000円以下
お腹も一杯になり首里城へと向かう。前回は園内が閉鎖されていて入ることが出来なかったが今回は見学することができた。首里城正殿は戦前に国宝に指定されたが、戦災で失われ、建物は1992年に復元されていた。しかし2019年の火災で焼失した世界遺産の首里城。火災で跡形もなく正殿は焼け落ちてしまった。現在は復興が始まっていて、どのくらいの月日を要するかは不明だけど、いつの日か必ず復活をしてくれるのだと思う。
首里城の周りには沖縄独特の木々や花々があって散策するだけでも十分楽しめる。また城自体が高台にあるので展望台からは市内が一望出来る大好きな場所だ。また近くには沖縄県立芸術大学があるのでオブジェや芸術的なシーサーがあったり、泡盛メーカーで有名な瑞泉酒蔵で見学ができたりする。
首里の町を一通り散策してホテルにチェックインするために那覇へと向かう。どうせなら首里から牧志、いやホテルまで歩いてみようと思い歩き始めたが、照り付ける太陽と茹だるような湿気で後悔するのは時間の問題だった。距離にして5キロだったが、その長さは何倍にも感じ、牧志のあたりで、これは絶対に給水しないと危ないと思い、お得な昼飲み設定がある「那覇ゴールデン」に吸い込まれていった。
那覇市松尾「那覇ゴールデン」
この店は4ベロセットというのがあって小判1枚でドリンクやおつまみを決められた中から自由に注文できる。小判は4枚で1,200円なのでせんべろではないがそれに近いシステム。どう注文するか迷っていると店員さんが丁寧に教えてくれて「18時まではビールが安いから、ビールばかり飲む人は4ベロセットじゃない方が良いよ」と、正直に教えてくれた。こういう店は信用できるし、絶対にハズレがない。
アドバイスされたとおり個別注文で中生をオーダー。生ビールはまるで手品のように秒で消えてしまった。本当はビールだけでも良かったのだけど、酒場の流儀としてアボカドの刺身を注文した。店内は地元の方が多く、若い客層で埋まっていた。どういう訳だが自分以外は皆カップルだった。この店がある周辺は市場や雑貨店、居酒屋が集結するチャンプルーな場所。そこはまるで海外のマーケットのように思える。涼みながら立て続けに3杯のビールを飲み、絶好調な気分で店を後にした。
基本情報
- 店名 : 那覇ゴールデン 国際通り店
- 住所 : 沖縄県那覇市松尾2丁目11−6
- 営業時間 : 14:00-22:00
- 定休日 : 無休
- 予算 : 1,000円以下
店を出てからホテルまで軽快に歩く。国際通りには前回より人が戻ってきており、少し混雑していた。旭橋駅に着き、駅員さんにコインロッカーの荷物を取りたいと告げると、「どうぞ入っていいよー」と言われ、そんな小さな優しさにほっこりした。これが地元だったら「入場券買ってください」と普通に言われそうだから。
ホテルでチェックインを済ます。フロントの方は必要最低限の説明をしてくれて、とても好感が持てた。今回の部屋は高層階でダブルルームの部屋。ピークの時であれば1泊1万円くらいするのではないかと思う。今回はピークが過ぎているのと、GoToを使っているので1泊3,000円以下という破格で泊まることが出来た。汗でべたついた身体をシャワーで流し、クーラーキンキンの部屋で寝転ぶと一瞬で睡魔に襲われた。この日はもう予定も無く、明日以降の予定もない。何も決めていない旅なのでベッドに横たわりダラダラした時間を過ごした。
外がだんだんと暗くなってきて、なんだか小腹も空いてきた。さっき国際通りで買った「島ぞうり」をつっかけて町へと繰り出す。途中ブルーシールのネオンや廃墟のようなアパートメントがあり、「あぁ、これが沖縄だよね~」って感じる瞬間が度々あった。ぱっと見、近代的な部分が多い那覇市内だけど、一本裏道に入るとそこは昔のままだったりする。一歩裏に入るだけで30年くらい昔にタイムスリップできるそんな町が好きだった。程なくして、お目当てのタコ焼き屋に到着。
那覇市松尾「蛸屋本店」
前回の旅では気に入って期間中2回も飲みにきた店。たこ焼きとセットのせんべろセットがあり、たこ焼き一皿と3杯付いて1,000円。なんとなくありきたりのように思えるのだけど、たこ焼きのクオリティーが高く、めちゃくちゃ美味しい。特にねぎ塩は抜群の美味しさだ。普通に注文しても6個で350円だからお腹に余裕があれば2種類食べてもいい。
せんべろのドリンクお代わりは佐藤製薬のキャラクター「さとちゃん人形」を引き換えに差し出すスタイル。最近のせんべろはこうやって、人形やコインなどでドリンクを数えるのが流行っているみたい。さっき夕方のビール3杯飲んでいるので、これ以上ビールを飲み続けるのはきつかったので芋焼酎の水割りを2回おかわりして店を出た。
基本情報
- 店名 : 蛸屋本店
- 住所 : 沖縄県那覇市松尾2丁目22−17
- 営業時間 : 14:30-0:00
- 定休日 : 不定休
- 予算 : 1,000円以下
この牧志公設市場周辺は迷路のようにアーケードが張り巡らされている。昼間は良いが夜は電灯の無い場所も多く、視界が効かない場所も多い。酔った勢いでビルとビルの間の道や、漆黒の闇の向こう側が見えないような路地をずんずんと歩いていった。途中、野良猫にも数回遭遇したりして楽しいひとときだった。お腹は既にいっぱい。しかしまだ部屋に戻るには惜しい気がして、宿題店の「じょうとう食堂」に寄ることにした。
那覇市樋川「じょうとう食堂」
ここも前回の宿題店。お店は明け方までやっているようでワンコインで食べられるようなメニューが多く、注文方法は券売機で食券を購入するスタイル。お客さんは3名ほどいて、タクシー運転手らしき方、仕事帰りのサラリーマンとご老人というメンバーだった。そして沖縄そばを注文。
〆のラーメンならぬ〆の沖縄そばを食べることにした。この店は(小)の設定があるので、腹8分目を越えてしまっている自分でもなんとか食べられる麺量。食欲増進のために、卓上に置いてある紅ショウガとコーレーグースーをかけ食べ進めた。かつおの利いた出汁にラーメンのような麵、沖縄そばってどの店で食べてもだいたい美味しくて自分にとっての万能食でもある。
基本情報
- 店名 : じょうとう食堂
- 住所 : 沖縄県那覇市樋川2丁目2−2
- 営業時間 : 11:00-翌6:00
- 定休日 : 火曜日
- 予算 : 1,000円以下
もう食べられない・飲めないので、ホテルまでふらふらと歩く。夜になるとさすがに沖縄でも涼しく、夜風を感じながら薄暗い道を歩いて帰った。
旅行2日目
昨夜は22時過ぎに寝たけど、起きる時間はいつもと変わらず5時。まだ明るくなっておらず、空は雲で覆われていた。もしかしたらあまり天気が良くないのかな?と思いつつ寝ぼけ眼で洗顔と歯磨きを済ませる。それが終わるとベッドの上にダイブし、おもむろにストレッチを始めた。旅行に行く前日、最近再開したジョギングを沖縄でもしようかな?と思い、ランニングシューズと短パンを持ってきていた。南国の清々しい朝、海沿いをジョギングするなんて、めっちゃ最高だなと想像していた。
ホテルから波の上ビーチまでは走って5分とかからない。朝早い時間なので街中も海岸も人気は殆ど無かった。ビーチを経由し街中を走り始めるとの松山辺りで、ついさっきまで飲んでいたであろう若者達が酔いつぶれて道路に多く座り込んでいた。「あぁ、なんか良いね~楽しそうだよなぁ」と思いながら、自分は必至の形相でその横を駆け抜けていった。部屋に戻ってシャワーを浴び、びちょびちょになった短パンや昨日着ていたものを洗濯した。洗濯機に衣類を放り込みながら「どこ行っても同じことやってるな」と思い少し可笑しかった。洗濯が終わるまで、朝食がわりに昨日スーパーで買っておいたパンを食べる。買ったのは沖縄にあるオキコパンが販売する「ゼブラパン」黒糖とピーナツクリームがサンドされていて食感が楽しいパン。180円で値段は少し高く感じるがボリュームがあり数回に分けて食べるサイズ。 これをビールと一緒に食べるのがこの日の朝食スタイル。
何も考えずに朝からビールの飲んでしまったので運転は出来ず、モノレールやバスで行ける場所を探す。どうせなら海に入りたいと思い、バスで行ける「美らSUNビーチ」に行くことにした。那覇バスターミナルから市バスに乗って終点まで30分くらいかかり、そこから徒歩10分で到着。ホテルを出る時は曇天だったけど、バス停で降りた時にはドピーカンに変わっていた。炎天下の中歩き、近くにあったイオンでアルコールを調達し海岸に到着すると真っ青な海と空が広がっていた。一眼レフやら着替えなど入ったリュックを砂浜の置き去りにし、もしもの時のために財布だけは少し離れた場所に埋めるのが、自分のひとり海水浴スタイル。海パン一丁でも、最悪財布だけ 無事であれば何とかなると思っている。
海からあがると、冷たい缶ビールが待っていた。いつものように一気に飲み干して砂に寝転ぶ。家族連れの声や風と波の音が入り混じり、まだ夏はここにあるよと教えてくれているようだった。そう、まだ2020年の夏は終わってないなと思った。沖縄は10月くらいまで普通に海に入ることが出来るので、それを過ぎないと夏は終わらないのではないかな。それから数本のアルコールを飲み、ビーチでの昼寝にも飽きたので昼飯を求めて歩き始める。途中、「アウトレットモールあしびなー」や「道の駅豊崎」にも寄ってみたが、好みの店は見つからなかった。結局30分ほど歩いて地元の食堂に入る。
豊見城市座安「よね食堂」
食堂に着く直前、雨が降ってきてしまいこの食堂に入るしかなかった。店は広く人気店のようで店内は13時を過ぎているのに満席に近い状態だった。朝からパンしか食べていなかったので、がっつりしたものを注文。
フーイリチャーとは、お麩が入っているチャンプルーのこと、これが好きで家でも自作して食べることがある。お麩と玉子、野菜に豚肉などが入った野菜炒めとみそ汁代わりの沖縄そばに山盛りご飯がついている。沖縄の食堂はどこに行っても基本的に量が多い。そしておじいもおばぁも良く食べる。しっかりと食べるからこそ長生き出来るのだと思う。
基本情報
- 店名 : よね食堂
- 住所 : 沖縄県豊見城市字座安337
- 営業時間 : 10:00-17:00
- 定休日 : 無休
- 予算 : 1,000円以下
外に出ると雨はすっかり止んでいた。近くのバス停まで歩き、少し買い物をしつつホテルまで帰る。部屋に戻るとシャワーを浴びてベッドに横たわりアマゾンプライムで映画を見る。そしていつの間にか眠っていた・・・目が覚めると外はすっかり暗くなっていた。沖縄まできてこんなことをしていてはいけない!と思い飲みに出る。前回の旅行で昼も夜も一生懸命、お弁当販売やらテイクアウトを頑張っていた居酒屋を思い出しその店に行ってみる。
那覇市泉崎「守陽館」
この店に前回行かなかったのは単純に名前が怪しいから。中華料理のような居酒屋のような、占い館のような変わった名前。今回は事前のリサーチで普通の居酒屋だと確認できていた。店内には地元の方と思われる人が5名ほど。せんべろセットがあったのでそれを注文した。
沖縄のせんべろは基本ドリンク3杯がつく店が殆どで、このシステムだと1軒行くだけで満足してしまうところが逆に難点だったりする。ドリンクメニューは豊富でおつまみメニューは少なめなので、飲み中心の人達には良い店だと思う。ひとりでぼぉーっと飲んでいたら、店員の方に話しかけられ「こんな時にあれですが・・・・バナナ食べます?お客さんからたくさんいただいたんですよ」と沖縄独特の温かみを感じるイントネーションですすめられた。出されたのは小さな島バナナ一本、それを食べて店を後にした。
基本情報
- 店名 : 守陽館
- 住所 : 沖縄県那覇市泉崎1丁目22−6
- 営業時間 : 16:00-0:00
- 定休日 : 無休
- 予算 : 1,000円以下
店をでた後は、那覇の町をふらふらと歩く。那覇市役所前にあるライトアップされた立派なガジュマルの木を眺めながら、「ちと、明日はしっかり計画立てて動かないとだな・・・」と反省しホテルの部屋に戻った。
明日は、本部ややんばるの方へ行こうと決め、レンタカーを予約しようとすると、タイムズレンタカーのカード(会員なので安くなる)やETCカードを持ってきていないことに気が付いた。カードを持っていないと一般価格になるらしく、借りるのやめようかなと思ったが、ホテルの前にあったオリックスレンタカーどうだろう?とウェブで調べると、タイムズの会員価格よりも、オリックスの方が安いことが分かり、部屋でひとり「えーーーーー!」と声を上げてしまった。毎月定額を支払っているにも関わらずこの仕打ち。帰ってきて速攻タイムズを退会をした。
旅行3日目
結局、何時に寝ても起きるのは5時と変わらなかった。短パンとシューズを履いてホテルを出る。今日は海の方ではなくて奥武山公園を走ることにした。奥武山公園は、昭和34年6月に開設された運動公園で園内に一周約1キロのジョギングコースなどもあり、朝早くから多くの人が散歩したりジョギングをして楽しんでいた。コースを数周回走り部屋へと戻る。シャワーを浴びて洗濯をし、9時にはホテルを出てレンタカーを借りにいった。
車に乗り込み58号線をひたすら北上する。那覇にいるとあまり感じないが、沖縄は基地の島。普天間飛行場や嘉手納基地、58号線を走っていると米軍の施設や軍関係の車と多くすれ違う。最初は驚くのだけど、少し時間が経つとそれが当たりまえになってしまう。約1時間30分ほど走って、名護市街に近い「道の駅許田」に到着。朝飯を食べてなかったので何か食べようと入った。
名護市許田「道の駅パーラー てんぷら」
沖縄ではてんぷら屋が多い。お弁当、お惣菜、てんぷらと看板に書いてある店も多く、地元の人の好物であるらしい。自分は普段それほど天ぷらを好んで食べないがファストフード的に少し摘まんでみようと思った。店内に入ると、厨房の部分にてんぷらを並べる場所が辛うじて確保されているような状況で、揚げられたてんぷらが山のように積まれている。どれでも1つ70円とのことでとても安い。種類は海鮮系や野菜系と豊富に取り揃えられていた。選んでいる最中も次から次へとてんぷらが揚がっていきバットに積まれていく。それを見ながら「こんなに買いに来る人がいるのだろうか?」と思った。
もずくとカジキのてんぷらを買い外で食べる。一口食べて沖縄てんぷらの意味がわかった。これは俗にいう天麩羅ではなく、衣はまったくサクサクしていない、どちらかというとフリッターに近い。「あぁ・・・うまい」朝飯を食べていなかったせいもあるのかもしれないが、この2つのてんぷらがとても美味しかった。しかも両方とも揚げたてでホカホカ。そして次々と揚げられる意味も分かった。「こりゃ、毎日相当な数が売れるな」と。
基本情報
- 店名 : 道の駅パーラー てんぷら
- 住所 : 沖縄県名護市字許田17−1
- 営業時間 : 10:00-売切れ次第終了
- 定休日 : 無休
- 予算 : 500円以下
さんぴん茶を買って車に乗り込み名護市街を目指す。前日ウェブ調べて工場見学は休みと分かっていたが、オリオンビールの工場「ハッピーパーク」へ行ってみたかった。工場に到着すると人気はなく、何かグッズ販売やレストランとかだけでもやっていないのかな?とみるも完全クローズ・・・まあこの場所にこれただけでも良いかと写真だけ撮って後にする。
次に目指したのは「ブラジル食堂」ケツメイシのアルバム「KETSUNOPOLIS 9」のジャケットに使われた場所だった。営業時間なのにやっている雰囲気がない。写真の左下を良く見てもらうとわかるが、「代休」と紙が貼られた立て看板が出ている。「代休ってなんだよっ!」と思うけど仕方がない。ブラジル食堂は普通の定食メニュー(沖縄そばなど)の他に、日本人の口に合うようにアレンジされたブラジル料理がメニューとしてあるそう。しかし、この店の本当のメインは自家焙煎のコーヒー。一度、ブラジルに渡った先代が現地でコーヒーの自家焙煎に魅了されて、この土地で沖縄そばとコーヒーメインの店をオープンしたそう。一度飲んでみたかったが、また次回の宿題店としておく。気を取り直して車に乗り込み、近くで食事をできる場所を探す。最終的には沖縄本島最北端の辺戸岬を目指しているのでその道すがらで食べようと思った。そして選んだのはスーパーやホームセンターに併設された食堂だった。
名護市伊差川「伊差川食堂」
店に入る前までは「ちゃんぽん」を食べようと決めていた。沖縄で言うちゃんぽんは皆が知っているあの九州のやつではなく、あんかけ野菜炒めがご飯の上にかかったもの。前回、座間味島の食堂で食べたのを思い出し、久しぶりに食べたいと思っていた。券売機の前まで行き食券を買う。
なぜか券売機の前にいくと注文したいものが毎回変わってしまう。券売機の位置関係なのか?周囲を取り巻く料理の写真のせいなのか?「やっぱ、こっち!」となって違うものを選ぶ。ここのそば定食は沖縄そばにポーク玉子とジューシーが付いてる。ご飯は白ご飯かジューシーか選べるスタイル。そして案の定ご飯は山盛り。配膳口の傍らにはウォータージャグがいくつかおいてあって、水やお茶はもちろん、コーヒーや紅茶など自由に飲める。土地柄かトラックドライバーの方や力仕事の人が多いように思えた。男性も女性も大盛り定食をがっつりと食べていて、それでは足りずといなりやジューシーを追加で食べている人もいる。と、お膳に目をやると「ジューシー・いなり・オレンジジュースのどれか一品サービス」と書かれた次回以降使えるサービス券があり、追加で食べている人達の理由が分かった。
基本情報
- 店名 : 伊差川食堂
- 住所 : 沖縄県名護市 字字伊差川525
- 営業時間 : 10:30-21:00
- 定休日 : 無休
- 予算 : 1,000円以下
車に乗り込んで辺戸岬を目指す。信号がほとんど無い一本道を海を見ながらひたすら北上する。すぐに着いてしまいそうな所に岬が見えるのだけどなかなか着かなかった。運転をしていると海に入りたい、砂浜を歩きたいという衝動にかられる。途中何回も車を止めては砂浜におりて海を眺めていた。
根路銘海岸は、アカウミガメや、タイマイなどウミガメが産卵にくるようで、タイマイの産地は国内でも琉球列島だけ。ウミガメがくるビーチなんて本当になかなか来れない。もちろんそんな海だから絶対的に綺麗で透明度も素晴らしく良い。青い空の下、グラデーションになった透明度の高いディープブルーの海が一面に続く。自分以外には誰もおらず砂浜は貸し切り状態のこの浜辺にずっと座っていたいと思った。
そこからまた30分以上車を走らせ、辺戸岬まで到着した。沖縄本島最北端の岬は波が荒く、大きなな波が断崖に打ち付け白波があがり飛沫を上げていた。さっきまでの穏やかな海岸とは全く違っていた。
辺戸岬からは太平洋と東シナ海が一望出来、天気が良い時は鹿児島県与論島や沖永良部島も見えるそう。岬の中心には「日本祖国復帰闘争碑」の記念碑が建てられている。これは沖縄が日本に返還され、沖縄県になった証として1972年に建立されたもの。いろいろなところで綺麗な風景を見ていても、必ず戦争の影や影響を感じさせられるものが必ずある。手放しでは喜べない風景、それが沖縄なのだと思う。ここまでまっすぐ来ても那覇から2時間30分かかる。距離にして120キロ。時刻は15時30分を既に回っている。途中渋滞のリスクを考えると、もう寄り道せずに帰るしかなかった。はずだった・・・が、前回どうしても行きたかったが時間の関係で行けなかった名護にある「シーグラスビーチ」に車を走らせていた。このビーチはシーグラス(空き瓶が波で削られて綺麗な石のようになったもの)がたくさん拾えると言われる場所。上手くいってもその場所に滞在できるのは30分以下だった。
途中、キャンプシュワブのデモ小屋を見ながら目的地に向かう。グーグルマップのコメントで見ると「道なき道を入っていく」「グーグルマップのナビを信じて進めば大丈夫」というコメントがあり、言う通りに進んでいくと、じゃり道となり、農道となり、一台の車がやっと通れる道幅で草やら小枝が車にガシガシ当たる状態。当然Uターンなど出来る状態ではない。信じて進んだがこれ以上奥に入っていくと危険と思い、辛うじてUターンできそうな分かれ道があったので、そこから元きた道を引き返した。大きな道路に一旦車を停めて徒歩でチャレンジしてみるも行き止まりばかりで一向にビーチに着くことは出来なかった。途中見つけた案内看板はあったが、そっちの方向に歩いてみても行き止まりだった。
帰ってきて落ち着いて調べてみると、グーグルのナビどおりではビーチに着けないということが判明・・・「マップを航空写真に切り替えて見てみると、繋がっている道が分かるよ」と言っているサイトがあり、そのとおりにしてみると、行き方が良く分かったので次回の宿題ビーチとなった。
結局、ビーチにたどりつけず30分以上ロスをした。返却までの時間が迫っているので、ここからは絶対寄り道をしないと心に決めてハンドルを握っていた。夕方にさしかかり日が暮れてくる。普通の街並みを走っていると、学校帰りの学生を多く目にした。真っ黒に日焼けしてたくましい子供たちは、いつかは島を出て都会とかで暮らすのかも知れない。でも子供の頃、この土地で育っていることは本当に羨ましい。たくさんの自然に囲まれて生活していたことは多分人生の中で大きな宝物になることだろう。
結果的に返却時間までにはどうにか間に合わせることができ、ホテルの部屋に戻りシャワーを浴びる。運転していたので昨晩からアルコールは一切飲んでいない。シャワーを浴び終わると一気に飲みたい欲が出てきたので町へと繰り出した。沖縄に来てからずっと「せんべろ」が多かったので今夜はこんな店にしてみた。
那覇市松尾「飯ト寿小やじ」
この辺りでは珍しいお洒落な外観。内装も小奇麗な居酒屋といった感じ。既に多くのお客さんで賑わっていて客層は若めだった。店員さんは活気があり、かっこいい人が多かった印象で、とりあえずオリオンの生を注文し、いくつかおつまみを追加。ビールを一瞬で消す手品師なので、追加で緑茶割りを注文した。この緑茶割りはティーバッグが一つ丸々入っており、中身だけを追加することが可能。名前のとおり確かに香ばしいとても美味しいお茶割りだった。
つまみは茄子の揚げびたしと金華さばの一夜干しを注文。このさばがメチャクチャ美味しくてもっと食べたかった。こんな感じで好きなものを少しだけって方が最近の自分には合ってる。飲み放題とか食べ放題のように量が多いことに対しての欲望はこの歳になると完全に消え去っている。それよりも質の良いものを少しという方が合っている。
基本情報
- 店名 : 飯ト寿小やじ
- 住所 : 沖縄県那覇市松尾2丁目11−5 上江洲ビル 1F
- 営業時間 : 10:30-23:00
- 定休日 : 無休
- 予算 : 2,000円以下
店を出てホテルまで歩く。今日は1日中運転をしていたので精神的な疲れが大きいようだった。ホテルまでの道のりで今日目に映ったものを思い浮かべると、ロードサイドにあった見慣れた飲食チェーンが浮かんできた。十数年前はそんなものは皆無だった。自分が過ごしていた土地だってそうだったけど、なぜか急に寂しい感覚に襲われた。コンクリートの壁に青や赤のペンキで直接書かれた「ぜんざい」「さしみ」「そば」なんて店が自分の記憶の中に留まっている。時代の流れや土地開発には抗えないけど、この沖縄の隅々までもが近い将来、都会と同じようになってしまうのかと思うと寂しかった。
旅行4日目
昨夜ホテルに戻ってきてからも遅くまで飲んでいたので朝早く起きれなかった。2日連続でジョギングし、毎日多くの距離を歩いていたので膝が悲鳴を上げている。なので今朝は走らなかった。昨日はほぼ運転手のような行動をしてしまったので、今日はモノレールやバスなどを使っていける範囲をぶらぶらしようと思っていた。9時を過ぎても部屋でだらだらして、いい加減出掛けるかと思い旭橋駅に向かい、ゆいレールの一日乗車券を買った。
もしこの記事を読んでいる人の中に自分のことをリアルに良く知っている人がいればそれに気が付くかもしれない。写真を撮りながらそのミラクルに気付き、思わず「おぉぉぉ!」と車内で声を出してしまった。モノレールに乗り、取り敢えず朝食を食べに行こうと思い、小禄駅で下車し歩いてお目当ての店まで歩いた。
那覇市金城「上間てんぷら店」
昨日からてんぷらにはまってしまっている。熱しやすい性格なので「これ美味しい」と思うとそればかりを食べてしまうところがある。なんなら3食それでも良かったりする。この上間のてんぷらは沖縄のファミリーマートとコラボレーションしていて「ファミマでUEMA」の、のぼりが必ず立ててある。沖縄のファミマはポーク玉子おにぎりや中身汁など沖縄のローカルフードがたくさん売っているので面白い。
TOGOして近くの公園で食べる。平日朝の公園は誰もおらず、静かな朝食を摂ることができた。こんな事をしている自分はどんな立場なんだ?と不思議に思い笑いがこみあげてきた。これじゃあ、完全に職を失っている人かリタイアした老人のようじゃんかと。それはさておきてんぷらはものすごく美味しい。さすがファミマとコラボして沖縄全土で販売されているだけはある。
基本情報
- 店名 : 上間てんぷら店 小禄金城店
- 住所 : 沖縄県那覇市金城5丁目7−12
- 営業時間 : 6:00-18:30
- 定休日 : 無休
- 予算 : 500円以下
腹ごしらえが終わり再度ゆいレールに乗る。終点まで行ってみようかと街並みを眺めながら乗っていたが、グーグルマップで見る限り、本当に何もなさそうな雰囲気で怯み、一つ前の「浦添前田」で下車をした。マップで見る限り大きな公園があるようで散歩でもしようと歩き始める。歩きながら「さっき公園で朝飯たべて、モノレール乗って移動して、さっきと違う大きな公園で散歩しようって!何者だよっ!」って自らツッコミをいれた。
公園の案内所のようなものがあったので、地図をもらいに入ると担当の方に名前や住所を紙に書くように促され検温をされた。最近のコロナ独特の儀式である。地図をもらい一通りの説明を受ける。そんなに興味はないのだけど、仕事の癖で人の話を聞く時にオーバーリアクションしたり、楽しそうにしてしまうので、説明は結構長く続いた。
ただの大きい公園かと思ったら、ここは昔、王様が住んでいた「浦添グスク」という場所。一説によると、浦添城は琉球王国で首里城よりも先に立てられたもので、舜天(しゅんてん)王の居城として12世紀頃に築かれたらしい。園内には展望台があったり、いろいろな石碑などもあった、そして石垣で作られた「浦添ようどれ」は下から見上げると圧巻の風景だった。歴史関わるものも多くあるけど、とにかく緑が深く沖縄特有の木々や花々がたくさん咲いているのも見ごたえがある。根がおかしな形をしていたり、いくつも垂れ下がっていたり、それを見ているだけでもコーデックスなどが好きな人はぞくぞくすること間違いない。全てを回ってみたかったけど、あまりにも広大な公園なので北側半分を歩くことはあきらめた。刺すような陽射しの中これ以上歩くのは難しかった。駅まで戻り、次はどこへ行こうかと考える。おもろまちに宿題店があったことを思い出しそこへ行くことにした。
那覇市おもろまち「けんぱーのすばやー」
実は前回の旅では店の前まで来た。しかし定休日だったようで食べることが叶わなかった。店内にはいると、食券を買うようにというアナウンスが流れており、食券は買うだけで出さなくても厨房に伝わっていると繰り返し告げられていた。テーブル席がいくつもあって店内は意外と広くサイクリストやカップルが美味しそうにそばをすすっていた。出来上がりを待っている間、店内を見回すと多くのサイン色紙に目が惹かれる。FC琉球・琉球ゴールデンキングスの選手のサインやお笑い芸人のサインも数多くあった。程なくしてすばが出来上がりカウンターまで取りにいく。
スープを一口すすると、複雑な味が広がった。最初に鰹のふわっとした香りがきて、後の方から豚のコクのような深い味わいがくる。見た目だけだとお吸い物のように見えるが、スープが濁っていないのにコクがある味に仕上がっている。さすがスープを売りにしているだけあってとても美味しい。考えてみると沖縄にきて4日経つが毎日のように沖縄そばを食べている。別に麺類が好きという訳でもないのだけど、なぜか沖縄そばは食べたくなってしまう。そう毎日でもいいかもしれない。
基本情報
- 店名 : けんぱーのすばやー
- 住所 : 沖縄県那覇市おもろまち4丁目9−11
- 営業時間 : 11:00-19:00
- 定休日 : 火曜日
- 予算 : 1,000円以下
腹ごしらえも済んでこの後何をしようか?と考えて店を出るとそこには「また」公園が広がっていた。新都心公園といって野外ステージやスケートパークなどもある大きな公園だ。どうも今日は公園に縁があるようでそちらの方へふらふらと歩いていく。しばらくすると大きな白い建物に視界を遮られ「沖縄県立博物館・美術館」というところにたどり着いた。寺院・仏閣はあまり好きではないが、博物館・科学館などは大好きで一日中見ていても飽きない。館外に展示物が少しあったので見て回ると、中で展示されているものへの期待が大きくなった。館外には琉球の代表的な家屋や木々、昔に沖縄窯業の中心を担った湧田窯が展示され、もうこれは入ってみるしかないと思った。
館内に入ると、外観と同じように壁も床も什器も白で統一されていた。博物館の常設展示に入り、見ていくと、どんどんと琉球の世界に引き込まれていった。人類が沖縄にやってきたことから始まり、何人もの王がいたグスク時代、戦前・戦後のことや、沖縄にいる動植物の剥製など2時間以上かけて見て回った。それでも全部の資料を細かくみて回ることは出来ず、途中は流すように回っていた。沖縄県立博物館・美術館について約4分30秒の動画があるので、これを見てもらえれば、自分が説明するよりもクリアーになると思う。
かなり時間が経ってしまい一旦部屋に戻る。部屋に戻り片付けなければならない仕事があり、それを部屋でちまちまとやっていた。長い休みを取っても完全に仕事を忘れることは出来ず、毎回なんかしらのタスクをこなさなければならない。パソコンの前に座り2時間くらい経っただろうか、仕事が終わった頃には既に真っ暗だった。もう、明日の午後のフライトで帰らなければならないので、今のうちお土産をスーパーへと買いに出る。お土産は誰かに渡すよりも自分で家に帰ってから食べるものが大半。もちろんアンテナショップなどでも手に入るが、ここで買って帰った方が割安なのでそうしている。泡盛やオリオンビールにスパム、亀せんべいや塩せんべいなどありきたりのものだ。買物を済ませ荷物を一旦部屋に置き、また牧志の方へ繰り出して、最後の夜のビールを飲んだ。
那覇市松尾「垂れ屋」
松尾の中でもこの一角は那覇で有名なせんべろ居酒屋が多い、以前記事にした「足立屋」もこの店の目と鼻の先にある。この店のメインはやきとりで自家製だれを付けて焼かれ、皿盛りにして出される。鶏以外にも豚や牛の部位も少しある。店内はかなり混んでいて殆どの席が埋まっており、カップルやグループで来ている人が大半だった。注文はせんべろセット
やんばるの方からチルドで運んできているらしい肉は柔らかくてジューシー。絡められたたれが濃いめなので食欲がそそられた。もう少し何か食べたいと思い明太子チーズオムレツを頼んだ。作るところを見ていたが、卵3個にたっぷりのチーズを入れて焼いていたのでかなりカロリアスな食べ物だと思う。ドリンクは女子ウケしそうなものも多くあるので繁盛しているのが頷ける店だった。
基本情報
- 店名 : 垂れ屋
- 住所 : 沖縄県那覇市松尾2丁目10−20
- 営業時間 : 15:00-0:00
- 定休日 : 無休
- 予算 : 1,000円以下
この旅行最後の夜だったが、1軒だけで止めて部屋へと戻る。ホテルの冷蔵庫に買いためたビールや酎ハイ、ウイスキーの小瓶を片付けるためだった。さっきスーパーで買ったスナックをつまみにして、何本ものビールや酎ハイをテレビを見ながら飲んでいた。ふっと部屋の窓から見える那覇の景色を見て、「このまま、こんな生活を続けられたら良いのにな。」と思った。隠居するには、まだまだ早いけど社会の風当たりの強い場所で働くことにそんなに魅力を感じなくなっていることは確かで、それよりも地域のためになるとか、これからの未来を担っていく子供たちのためになるような仕事をしつつ、大好きな土地に住むことができたらと思う。なんだか旅行って来る前や来た時は一番楽しいのに、帰る日が近づくにつれてだんだんと寂しくなる。これって人と人との出会いと一緒だなと思った。
旅行5日目
昨夜は飲み過ぎて2日酔いで起きた。当然、朝のジョギングはできるはずも無く、しばらくの間ベッドでゴロゴロとしていた。15時のフライトまで何をしようかと考える。チェックアウトギリギリまで部屋に居ようかと頭を過ったが、スマホを手にとり行けそうな場所を探してみた。行動するにしてもキャリーケースが邪魔なので、どこかのコインロッカーに預けなければならないし、駅だと一旦そこまで戻ってくる必要があるし・・・と、どう動けば一番良いのか動線を考えていた。「効率の良い方法」「限られたリソースの中で」そんなこと旅には関係ないのに考えてしまう。
出した答えは一度空港に行ってキャリーケースをコインロッカーに入れてしまうことだった。幸いゆいレールの一日乗車券は10時まで使えるので、それで空港と街を往復できる。だらだらモードから一転して、素早く着替えチェックアウトを済ませた。空港のコインロッカーに荷物を入れて牧志まで戻り周辺を歩く。夜とは違い、お土産屋や雑貨屋など多くの店が開いていたが、それを横目に見ながら向かった先は「やちむん通り」だった。
「やちむん」とは「焼き物」という言葉を沖縄風に発音すると「やちむん」となるから。前日の博物館で県庁の辺りに遠い昔、大きな陶器を焼く窯が幾つもあったと知り、考えてみたら沖縄は焼き物も有名だということを改めて思った。何回も沖縄に来ているがやちむん通りに行ったことがなかったので歩いてみることにした。400メートル弱の通りには幾つもの店があり、おもいおもいの器が並べられ売られていた。ところどころにカフェがあり静かなとおりでお茶を飲む人も多かった。自分に残された時間はあまり多くないので、2、3軒良さそうなお店を見て周り、何枚かの写真を撮り後にした。
次に向かったのは、市場近くの「奥間青果店」ここで島らっきょうや島とうがらし、シークヮーサーを買い込み、近くの「上原パーラー」で小さなお弁当を買った。島らっきょうは旬が過ぎたのか赤っぽいものだけが売られており、もしかしたら品種が違ったのかもしれない。前回ほど大量に買い込んでいないので、下ごしらえの皮むきもそこそこで済む予定だ。買物をする時、沖縄でも同様に袋は有料のはずなのだけど、両手に野菜など抱えていたら、代金も取らず無言で袋に入れてくれた。そういうことをさらっとやってしまう沖縄の人がやっぱり好きだ。
思えば沖縄に来てから全くイラっとすることは無かった。地元で生活していると毎日の様にイライラする場面に遭遇する。道を譲らず自己中で歩く人やウインカーも出さずに車線変更する車、並ばずに我先にと席取りをする老人など、地元では毎日イライラするし、そういう人が多い。都会みたいなギスギスした場所に住んでいると、そういう様な性格や態度が染ってしまうのかもしれない。
買物を済ませ市バスに乗る。終点の具志営業所で下車すると陽射しが痛かった。そこから向かうのは瀬長島の「ウミカジテラス」インスタ映えするようなスポットで最近地元の若い人や観光客に人気の場所らしい。普通は車でくるような場所だけど一番近いバス停から歩いて15分くらいかかる。横を通り過ぎる車から「なんでこんな暑い中歩いてるの?」と声が聞こえてきそうな感じだ。それでも直ぐに真っ青な海が見えてきて足取りは軽やかになった。すぐそこに那覇空港が見えるようなロケーションでも水の青さは抜群だった。
ウミカジテラスの高台に上り海を眺めているとひっきりなしに飛行機が着陸する。「Flightradar24」というアプリでどこからの便なのか確認していた。余談になるけどコロナでこれだけフライトが減便されて大変だというけど、「Flightradar24のPCサイト」で見てみると、日本のみならず、各国でどれだけの飛行機がリアルタイムで飛び交っているか分かる。その混雑具合は渋谷のスクランブル交差点以上だと思う。
4泊5日の旅がそろそろ終わる、この5日間できるだけ日常のことを忘れ好き勝手に生活してた。始めのころはそれが心地よかったのだけれど、だんだんとそして少しづつ心境が変わっていった。「好きにしていい」「フリーでいい」と思ったのに数日するとやることを探していた。考えると「毎日決まってやることがある」ということは、何かを生みだす、考えだす必要がないのでとても楽に思える。それから抜け出すために、少しずつでいいから思いついたこと、やってみたいことにチャレンジしてみようと思う。
突き抜けるような青い空とグラデーションがハッキリと分かる次縹色が、言葉で表現できないほどの遠く、その遠くの向こう側まで続いている。静かな波が一定の間隔で寄せては返し、オンショアの風がテラスの緑を揺らしている。
そんな風景を見ながらこの旅を終わりとすることにした。
あとがき
本当は旅行中、毎日夜日記のように書こうと思っていた文章でしたが、酔っ払って書けるわけもなく、地元に帰ってきてから1週間費やしこの記事を書きました。前回の投稿からかなり時間が空いてしまいましたが、今回はちょっと変わったスタイルで沖縄のいくつかの店を紹介しつつ、旅先での出来事も紹介しています。文中は落ち着いて読んでもらえるようにと、写真挿入を少なくしてますが、下のギャラリーにいくつか綺麗な写真を入れてあります。タップすると拡大して見れると思いますので、沖縄リモート旅行をしたつもりで楽しんだり、実際に沖縄旅行に行くきっかけになったら嬉しいです。4泊5日分なのでかなりの長文となり、途中で離脱した人も多いと思いますが、この「あとがき」まで読んでくれているあなたはこのサイトにとって特別な存在です。いつも読んでくれてありがとう。
ではまた。