ゆったりとした時が流れる創業80年の大衆酒場
自分がこの店に来るようになったのはこの辺りに住んでいる友人にこの店の存在を教えてもらったから。王子駅から10分くらい離れた場所にこんな名店があるとは思わなかった。一度行っただけで大好きになり、王子に行くときは必ず寄っている大衆酒場である。
店の雰囲気
平日の16時を少しまわったところ。店の引き戸を開けると既に先客は10名ほど。ご常連と思われる人が焼魚をつまみに飲んでいたり、平日休みの方達が楽しい時間を既に過ごしていた。
店内は結構広く40人位はかるく入れる感じ。短冊メニューの貼り具合やテーブルや椅子も昭和酒場そのものだ。店内には大きなテーブルが5-6卓ほど置かれていて、それを取り囲むように椅子がある。したがって全員が相席となるシステム。常連さんも新人さんも相席なので皆が自然と仲良くなって会話が生まれ、その会話は店内のBGMとなる。ファーストオーダーは瓶ビール
ファーストオーダーといっても、瓶ビールはセルフで自ら冷蔵庫から出して栓を抜く。栓抜きは壁に備え付けのタイプで、昔コーラの瓶の自動販売機があった頃(若い人は知らないかも)、自販機についていたアレである。それを店の方が見ていて自然とグラスを持ってきてくれる。もう数回来ているので勝手知ったる感じだが、最初はよく分からなかった。それ見かねて周囲のご常連が教えてくれる。これが下町の良いところだ。おつまみにつぶ貝刺しをオーダー
量はそれほど多くないが、逆にそれが一人飲みにはちょうど良い。練りわさびを付けてつぶ貝を食べると練りわさび特有の ”つーん” とした鼻に抜ける感じがとてもいい。つづいてメンチカツをオーダー。
190円という値段でありながら自家製メンチ。揚げたてを頬張ると中から肉汁があふれ出すとても美味しいメンチカツ。客層の平均年齢は50歳台くらいだと思うが、結構こういう揚げ物をオーダーする人が多い。以前は年齢とともにこういうものは食べられなくなっていくのかな?と思っていたが最近の先輩方は皆とても元気だ。つづいて日本酒をオーダーしてみたいと思い壁に目をやる。
「八海山 (八海醸造) 」や「久保田 (朝日酒造) 」「鶴齢 (青木酒造) 」の銘柄があり、全ては新潟の地酒。どれも飲んでみたくなるが、その中から八海山の銘柄をお願いした。
店に立つお父さんが「撮るか?」と言ってくれて日本酒の瓶のラベルを撮影させてもらった。その後、グラスに注いでいくれて、表面張力一杯まで注いでくれる。
この居酒屋は既に創業八十年を超えている。自分は昭和が終わる頃まだ20歳にはなっていなかったので想像の域を越えないが、「2品くらい摘まんでサッと帰る。」的な普段使いをされていた店であったのだろうと思う。しかし、それでは帰りたくないので追加でオーダー。
関東のはんぺん。白いはんぺんにはきつね色の焼き色が付いている。なんでもない料理だがフワフワで美味しく、日本酒のアテにちょうど良い一品。あと一品だけ追加。
半熟玉子はこの店の名物メニュー。玉子の他にめんつゆとお蕎麦(以前はそうめんだった)が入っていて〆の一皿にちょうどいい。これを食べてお会計とした。
居酒屋は、どんな価格で商売していようが、どれだけお金を使って飲もうがそれぞれの自由である。長く営業している居酒屋は過去に紆余曲折があっても負けず、ちゃんと営業し続けている。良い店だから、良い客が自然と集まり繁盛する。これが本来の姿だと思う。そういう居酒屋で今後も飲みたいし引き続き応援したい。この居酒屋は間違いなくそういう店ですので是非に。
この店のまとめ
- 創業80年の老舗居酒屋
- 営業時間は2部制
- 瓶ビールはセルフで冷蔵庫から出す
- 半熟玉子が名物
基本情報
- 店名 : 山田屋
- 住所 : 東京都北区王子1-19-6
- 営業時間 : 8:00-13:00 / 16:00-21:00
- 定休日 : 日曜・祝日
- 予算 : 2,000円以下
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