地元で有名な骨汁が食べられる定食屋
沖縄市にある食堂「まるなが」。以前からブックマークしていて、いつか行ってみたいと思っていた店だった。沖縄の地元民に愛される老舗食堂として評判で、特に骨汁が美味しいという噂を耳にしていたのだ。今回は連れと大泊ビーチに行く前に腹ごしらえしようという話になり寄ってみた。
店の雰囲気
扉は開け放たれていて中に入ると、昭和の香りが漂う空間が広がっていた。入口付近にレジがあり、そこで最初に注文をするスタイル。奥にはテーブル席と畳の小上がり席がいくつか。壁には手書きのメニューが所狭しと貼られ、年季の入った冷蔵庫がブーンと低い音を立てている。テレビからは沖縄のローカルニュースが流れていた。

沖縄料理がところ狭しと書かれているメニュー。どれも安くて迷ってしまう。
メニューを見ながら考える。ソーキそば、チャンプルー、ポーク玉子…どれも魅力的だが、今日の目的は骨汁。 単品でも良かったのに口から出た言葉は「骨汁(小)セット、お願いします」だった。
地元の人たちがどんどんと入ってきて賑わう昔ながらの沖縄食堂。料理を待ちながら改めて店内を見渡すと、まさに沖縄の古き良き食堂の風景がそこにあった。壁には色あせた芸能人のサインが飾られ、カウンターの上には調味料の瓶がずらりと並んでいる。厨房からは「ジュワー」という炒め物の音と香ばしい匂いが漂い、おばちゃんたちの威勢の良い声が飛び交う。常連らしきおじさんは何も言わなくても注文が入っていた。そんな何気ない日常の光景に、心がほっと和んだ。
「まるなが」のメニューを見ると、沖縄の定食メニューがずらりと並んでいる。骨汁は小と大があり、ソーキそばやソーキ定食といった定番から、ゴーヤーチャンプルー、フーチャンプルー、ポーク玉子定食まで、地元の人たちが愛する家庭料理が勢揃い。チキン定食や魚フライ定食など、沖縄らしい洋食メニューも見える。どれも手頃な価格で、ボリュームたっぷりという文字が躍っている。
今回注文した「骨汁(小)セット」は、メインの骨汁にポーク玉子とご飯がついてくるお得なセットメニューで、これ一つで沖縄の味を堪能できる構成になっていた。
そうこうしていると、「骨汁セットの方〜」の声。
運ばれてきた瞬間、思わず遠い目になった。

生姜がたくさん乗せられている骨汁。骨ばかりかと思いきやたくさんの肉をまとっているのでかなりのボリューム
でかい!
「骨汁(小)セット」を注文したはずなのに、目の前に現れたのは小鉢どころか、どんぶり級の器に山盛りの骨汁。豚の軟骨がゴロゴロと入り、湯気が立ち上る様子は圧巻だった。隣にはポーク玉子とご飯まで鎮座している。
「これが小?大だったらどうなるんだ…」と心の中でつぶやきつつ、覚悟を決めて箸を手に取る。

小サイズで食べ応え十分の骨汁定食(800円)
骨汁(小)セットの内容は想像以上に充実していた。メインの骨汁は山盛りで運ばれてきたが、それだけでなく、しっかりとした一皿分のポーク玉子と茶碗一杯のご飯まで付いている。これで一人前とは、沖縄の食堂の底力を感じざるを得ない。ポーク玉子も決して添え物ではなく、メイン級のボリュームで、ご飯も普通盛りがしっかりと盛られており、全体的に大満足の量だった。果敢に食べ進めてみる。軟骨をガジガジと噛み、スープをすすり、時々ポーク玉子で口直し。しかし、10分経っても20分経っても、骨汁の山がいっこうに小さくならない。むしろ増えているような錯覚すら覚える始末。
隣の席の連れたちがチラリとこちらを見て、「頑張れよ」とでも言いたげな表情を浮かべながら写真を笑いながら撮っていた。
骨汁は豚の軟骨がトロトロに煮込まれており、コラーゲンたっぷりのスープが絶品。沖縄の家庭の味そのもので、優しくも深みのある味わい。軟骨の食感も楽しく、箸が止まらない。
さすがブックマークしていただけのことはある、期待以上の店だった。特に「小」という表記に騙された(良い意味で)のは、今でも印象深い。これだけのボリュームとクオリティで、価格も良心的。
地元の人たちに愛され続けているのも納得の味とサービス。次回は勇気を出して「大」を注文してみたいが、果たして完食できるだろうか…。
沖縄市を訪れる際は、ぜひ「まるなが」で本格的な沖縄の家庭料理を堪能してほしい。きっと予想以上の出会いが待っているはずだ。
この店のまとめ
- 沖縄の定食メニューがいっぱい
- 数量限定の骨汁は早い時間をねらって
- すべての料理は量が多いので気をつけること
基本情報
店名: まるなが
所在地: 沖縄市海邦1-5-47
電話番号: 098-939-4312
営業時間: 10:30-14:30
定休日: 水曜日
予算: 1,000円以内
駐車場: あり
ギャラリー
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