沖縄で静かに一人飲み。初めてでも入りやすい路地裏酒場
沖縄で「パーラー」と聞いて何を思い浮かべるだろう。本土ではパチンコ店を指すことが多いけれど、沖縄ではちょっと違う。地元の人々が日常的に通う、軽食や飲み物が楽しめる大衆食堂みたいなものだ。そば屋だったり、定食屋だったり、時には立ち飲み屋だったり。そんな「パーラー」という言葉を冠した居酒屋が、那覇の市場通り近くにある。
今回の那覇行きは、仲間より一日早く前日入りしてゆっくり過ごす計画だった。せっかくの一人時間だから、前から気になっていた「パーラー小やじ」に足を運ぶことにした。いろんな店をリストアップしていたけど、結局ここに決めた。4月の沖縄は意外にも肌寒く、雨もちらほら降っていた。それでも夜の市場界隈は活気があって、路地裏を歩くのが楽しい。
店の雰囲気
牧志公設市場から少し入った路地にある「パーラー小やじ」。アーケード街の中というか外というか、風が通り抜ける半オープンな造りになっている。入口に立つと店内が見渡せて、一人でも入りやすい雰囲気だった。

グラスに注がれた琥珀色の「オリオン生ビール」400円
L字型のカウンター席とテーブル席がいくつか。カウンターに座ると、目の前にメニューが置かれている。シンプルで分かりやすい。まずは定番のオリオン生ビールを注文。グラスに注がれた琥珀色の液体が、歩き疲れた喉を潤してくれる。カウンター越しに見える厨房から、料理を作る音が心地いい。

味がしっかり染み込んでいて、身が驚くほど柔らかい「牡蠣の煮付け」500円
最初に運ばれてきたのは牡蠣の煮つけ。小皿に盛られた姿を見た瞬間、期待が高まった。一口食べると、味がしっかり染み込んでいて、身が驚くほど柔らかい。じっくり煮込まれているのが分かる。ビールが進む味付けだ。

宮城・定義山の名物「三角揚げ」500円
次に頼んだのは三角揚げ。運ばれてきた瞬間、思わず目を疑った。那覇で、まさか宮城・定義山の名物に出会うとは。宮城出身のオーナーが手がける店だから、こういう一品があるのだろう。外はカリッとしていて、中はふんわり。ビールとの相性が抜群で、箸が止まらない。
カウンターで隣に座っていた方が、気さくに話しかけてくれた。関西から来ていて、もう3週間も沖縄に滞在しているという。レンタカーが借りづらいと聞いて、内地からフェリーで自家用車を運んできたらしい。会社を経営していて、秘書も連れてきているとのこと。どんだけリッチなんだよ、と思わずツッコミたくなるような話だったけど、その方の気取らない話し方が印象的だった。こういう偶然の出会いが、一人飲みの醍醐味だと思う。
そのあとは緑茶割を飲みながら、ゆっくり時間を過ごした。店を出たのは一時間ほど経った頃。人と人の距離が近い沖縄。知らない人同士でも自然に言葉を交わせる空気感がある。やっぱりいいな、と思いながら夜の路地を歩いた。
ちなみに、近くに姉妹店の「飯ト寿 小やじ」があって、そちらも別の記事で紹介しているので、よかったら読んでみてほしい。
「パーラー小やじ」は本当にいい店だった。自分もまた那覇に来たら立ち寄りたいし、読者の方も近くに寄ったらぜひ行ってみてほしい。一人でふらっと入れる、そんな気軽さがある店だ。
この店のまとめ
- 市場近くの半オープン酒場
- オリオン生400円からの良心価格
- 宮城の三角揚げが那覇で味わえる
- 一人飲みに最適なカウンター席
- 地元客と旅行者が交わる空間
基本情報
- 店名: パーラー 小やじ
- 住所: 沖縄県那覇市松尾2-11-8
- 電話番号: 098-860-8668
- 営業時間: 15:00〜21:00
- 定休日: 不定休
- 予算: 2,000円〜3,000円
- 駐車場: なし(近隣にコインパーキングあり)
営業時間・定休日に関しては、当時の情報となり政府措置やお店の都合により変わる可能性があります。本記事より極力店舗の電話番号も掲載しますので、事前に確認してから訪問することをおすすめします。
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