沖縄の国際通り付近に突然、下町酒場が出店
遅めの夏休みを取得し久しぶりの沖縄旅行。出発前、「どうか雨にならないでください」と、神様に小さなお願いをしたにも関わらず、前日に台風が発生し、自分が沖縄に向かう飛行機に乗り込むと台風は真っすぐ沖縄本島に向かってきた。雨どころではない、もうすぐ暴風雨がやってくる・・。旅の話は機会があれば別で書くとして、今回は「ヱイクラ」の紹介。この店は千葉で居酒屋を数店経営する増やまグループの一店舗。グループなんて書くとチェーン店ぽいが各店舗は渋い下町居酒屋がほとんど。本店の他に新小岩の「かど鈴」津田沼の「西もり」船橋の「若林」など、総武線沿線の酒好きを支えている。
店の雰囲気
引き戸を開けると先客は3名。大きなコの字カウンターと4名掛けテーブルが2つあり全部で30名位は入れると思う。ちょっと低めのカウンター席は、まだ新しさがありピカピカで、カウンターの上には最低限の調味料が置かれており、すっきりとしている。ファーストオーダーはもちろん中生。
沖縄に来たら何と言ってもまずはオリオンビール。沖縄県名護市にある工場で作っており、沖縄の蒸し暑い気候にぴったりなライトビール。店内のメニューには下町感を漂わせる、ホッピーにバイス、ホイスやシャリ金など沖縄にいることを忘れてしまいそうなアルコールラインナップが書かれている。そしてつまみにオーダー。
写真を見れば分かるとおり豆腐に味がいい具合に沁み込んでいる。全部のつまみメニューは一人前となっていて量も値段も丁度良く、一品頼んでお腹一杯という【あるある】にならないのでひとり飲みには最適の店だ。続いていくつか注文。
プラス100円でミントとライムを入手し、これを「ボール」こと焼酎の炭酸割りに入れる。ミントは入れる前に手のひらで「パンっ!」と叩き香りが立つようにする。これでボールモヒートの完成だ。一緒に注文したポテトサラダは自家製。人参や玉ねぎが入ったオーソドックスなもの。それに卓上ソースをたらりとかけて食べる。ポテトサラダが旨い店はまず間違いない。これは酒場選びの自論だったりする。
戦後生まれた下町ハイボール(キイロ)は、ウイスキーのハイボールが高級で飲めない庶民に向けに、安価な焼酎を独自の割り材で割り、炭酸をプラスしたもの。この店では「天羽の梅」で焼酎が割られている。今はもう、ウイスキーハイボールの代替品ではなく、下町酒場のメインアルコールとなっている。
酒場で見かけるとついつい頼んでしまう一品。味はどこの店もさほど変わらないが、仕上がりの美しさは店ごとに違う。この店は少し残念な仕上がりとなってしまったが、個人的には鶯谷の「東瀛」 や「晩杯屋」 は美しいと思う。追加でつまみを注文。
小一時間ほどで数杯とおつまみをいくつか食べて店を後にする。飲んでいる最中も客の入りは多くなく繁盛しているというイメージでは無かった。もしかすると、まだ沖縄の飲み客に受け入れられていないのかも知れないが時間の問題だろう。沖縄まで来て下町酒場に行く観光客も珍しいかも知れないが、ゴーヤーチャンプルーや島らっきょなど、沖縄の郷土料理もメニューにあるので是非行ってみて欲しい。
沖縄に来て初日の夜にこの一軒で終わるはずもなく、牧志のアーケード街をフラフラと歩いていく。台風が近づいてきているせいか蒸し暑さが増していた。暗がりから地域猫が飛び出してきて、自分の目の前でゴロンと寝そべり、か細い声で「にゃあ」と鳴いて見せた。留守番させてきた飼い猫のことを一瞬思い出し、ごめんよと心の中でTweetした。
基本情報
- 店名 : 大衆酒場 ヱイクラ
- 住所 : 沖縄県那覇市牧志3丁目5−18
- 電話 : 098-975-5439
- 営業時間 : 14:00-23:00(月-土) / 14:00-21:00(日)
- 定休日 : 水曜日
- 予算 : 1,500円
この店のまとめ
- 沖縄では珍しい下町酒場
- アルコールの種類が多い
- 肉豆腐はマストオーダー
- 沖縄料理のおつまみメニューも豊富