つくばで行列が出来る味噌ラーメンのうまい店
味噌コーンラーメンを出す店には、ひとつだけお願いがある。穴の開いたレンゲを出すことを必須にしてほしいのだ。コーンをすくい上げる時、普通のレンゲではコーンがツルツル滑って落ちてしまう。レンゲから逃げるコーンを見ていると、なんとも言えない切ない気持ちになる。最後までコーンを食べたい、残すことなくひき肉を食べたい。そんなくだらないことを考えながら向かったのが、つくば市北条にある「自家製麺 名無し」だ。国道125号線沿いにある、地元で知らない人はいないほど有名な人気ラーメン店である。
店の雰囲気
筑波山の麓、のどかな田園風景の中に突如現れる行列。それが「名無し」の目印だと言っても過言ではない。平日でも休日でも、昼時には必ずと言っていいほど行列ができている光景を目にする。日曜日の10:40に訪問すると、すでに待ち客6人、後客14人くらいという状況からも、その人気ぶりがうかがえる。
店内に足を踏み入れると、カウンター席とテーブル席が配置されたシンプルながら清潔感のある空間が広がっている。昔ながらのラーメン店らしい温かい雰囲気で、家族連れからラーメン好きのソロ客まで、幅広い層の客で賑わっている。テーブルに置かれたメニューを眺めると、醤油、味噌、塩といった定番メニューから、チャーシューメンや各種トッピングまで、シンプルながらも充実したラインナップが目に入る。
今回は看板メニューでもある「味噌ラーメン」と、評判を聞いていた「焼餃子」を注文することにした。注文を告げると、厨房からは麺を茹でる音と、野菜を炒める香ばしい音が聞こえてくる。期待が高まる瞬間だ。
料理の印象と感想
まず運ばれてきた味噌ラーメンを見た瞬間、その美しい見た目に心を奪われた。濃厚そうな味噌スープの表面には、薄く脂が浮いており、食欲をそそる香りが立ち上っている。トッピングはシンプルで、ひき肉、メンマ、ネギ、コーンそして可愛らしいピンクと白のなるとが彩りを添えている。このなるとがまた絶妙で、昔懐かしいラーメンの風景を演出してくれる。

味噌の濃厚さがありながらもしつこくない「味噌ラーメン」700円
実際に食べてみると、まず感じるのがスープの奥深さだ。味噌の濃厚さがありながらも、決してしつこくない。鶏ガラと豚のゲンコツに背ガラをベースにしたスープは、コクがありながらもすっきりとした後味で、最後の一滴まで飲み干したくなる仕上がりだ。麺は自家製というだけあって、もちもちとした食感と小麦の風味が感じられる。スープとの絡みも良く、一口ずつ味わうごとに満足度が高まっていく。そして忘れてはいけないのが、あの可愛いなるとだ。見た目の可愛らしさもさることながら、食感のアクセントとしても効果的で、ラーメン全体の完成度を高めている。

外はパリパリ、中はジューシー「焼餃子」300円
続いて登場した焼餃子は、正直言って味噌ラーメンよりも印象に残った一品だった。外はパリパリ、中はジューシーな王道の焼き餃子で、肉と野菜のバランスが絶妙だ。豚肉の旨味とキャベツの甘み、ニラの風味が調和し、一口食べるとその完成度の高さに驚かされる。皮もちょうど良い厚さで、もっちりとした食感が楽しめる。タレに付けなくても十分美味しいが、酢醤油と合わせるとさらに食が進む。
こんな店が近所にあったら、間違いなく常連になってしまうだろう。小さい頃に両親や祖父や祖母に連れて行ってもらった中華料理屋さんの優しい醤油味のラーメンを目指すというコンセプト通り、どこか懐かしさを感じる味わいが心に響く。また筑波方面に足を向ける機会があれば、必ず立ち寄りたい店だ。今度は醤油ラーメンも試してみたいし、チャーシューメンも気になるところだ。
読者の皆さんも、つくば市や筑波山方面にお出かけの際は、ぜひ一度「名無し」に足を運んでみてほしい。行列に並ぶ価値は十分にあるし、きっと満足度の高い一杯に出会えるはずだ。ただし、人気店だけに待ち時間は覚悟しておいた方がいいだろう。でも、その待ち時間も含めて「名無し」体験の一部だと思えば、きっと楽しい時間になるはずだ。
この店のまとめ
- 自家製麺のもちもち食感
- 行列のできる人気店
- 筑波山麓の隠れた名店
基本情報
- 店名:自家製麺 名無し
- 住所:茨城県つくば市北条4093
- 電話番号:029-867-5152
- 営業時間:11:00~14:00(月火水は昼のみ)、17:00~20:00(金土日夜営業あり)
- 定休日:木曜日(毎月最終週のみ水曜も休)
- 予算:700円~1,200円
- 駐車場の有無:有り
営業時間・定休日に関しては、当時の情報となり政府措置やお店の都合により変わる可能性があります。本記事より極力店舗の電話番号も掲載しますので、事前に確認してから訪問することをおすすめします。
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