居酒屋激戦区の亀戸で知っていると自慢できるもつ焼き酒場
亀戸交差点の歩道橋工事が延々と続いている。この工事、当初の予定を大幅に過ぎても一向に完了する気配がない。橋の架け替えは安全のため仕方がないとはいえ、工事による迂回路は面倒で、つい足が遠のいてしまう店もある。しかし、そんな工事の喧騒をものともせず、今日も変わらず営業を続けているのが「鉄板ホルモンダイニング ぶた鉄」である。この店は亀戸の居酒屋激戦区において、知る人ぞ知る隠れ家的存在として愛され続けている。看板も控えめで、ビルの奥まった場所にあるため、初見では見つけるのに苦労するかもしれない。一度その扉を開けば、そこには居心地のいい世界が広がっている。
店の雰囲気
スナックのような扉を開けるとまず目に飛び込んでくるのは期待を裏切らないまさしくスナックのカウンターの光景だ。奥では鉄板の上でジュージューと音を立てながら焼かれるホルモンの香ばしい匂いが店内を包んでいる。カウンター席が中心の小さな店内は、まさにひとり酒にはうってつけの空間である。ホワイトボードには日替わりメニューが手書きで書かれていて、店主の人柄が伝わってくるような温かみを感じる。
メニューは鉄板で焼くもつ焼きを中心とした豊富な品揃えに目を奪われる。価格帯も非常に良心的で、気軽に立ち寄れる親しみやすさがある。まずは喉を潤そうと、定番のホッピーセットを注文した。このリーズナブルな価格設定こそ、亀戸という下町らしい魅力。

プリン体を気にせず飲める「ホッピーセット」450円
ホッピーセットが運ばれてきた後、自分が好きな濃さになるようにホッピーを注ぐ。勢いよく注いだ時の泡立ちと琥珀色の美しさに心が躍る。程よい苦味とさっぱりとした口当たりが絶妙に調和し一口飲めば、仕事の疲れがスッと抜けていくような爽快感がある。これぞ下町の居酒屋で味わうべき一杯である。

数種類の刺身ととびっこ。そして塩辛までのっている「とぴっこ」300円
次に注文したのは「とびっこ」。名前だけ聞くととびっこのみが小鉢に入って出てくるのかと思いきや、実際に運ばれてきたのは色とりどりの刺身の盛り合わせだった。しめ鯖、鯛、ほたるいかなどが美しく盛りつけられ、見た目にも華やかである。一口食べてみると、それぞれの魚の新鮮さが口の中に広がる。この価格でこのクオリティの刺身を提供できるのは、店主のこだわりがあるに違いない。

激辛の辛みそがくせになる「辛みそ奴」200円
「辛みそ冷奴」は、見た目のシンプルさとは裏腹に、みその辛味と複雑さに驚かされる。豆腐の上にのった辛みそは、確かに本場中国の調味料が入っていて最初はマイルドな豆腐の甘味が口に広がり、その後から辛みその刺激的な辛さが追いかけてくる。この温度差と味の変化が絶妙で、箸が止まらなくなる。200円という価格を考えれば、これほどコストパフォーマンスの良い一品もそうそうない。

ごま油とニンニクが効いたパンチの効いた味付けの「みょうがきゅうり」300円
「みょうがきゅうり」は、一見すると居酒屋の定番おつまみに見えるが、一口食べると驚きの連続である。ごま油とニンニクが効いたパンチの効いた味付けは、まさに食欲をそそる絶品だ。みょうがのシャキシャキとした食感と、きゅうりの爽やかな水分が口の中で調和し、ニンニクの香りが鼻に抜けていく。この一品があるだけで、ホッピーが何杯でも飲めてしまいそうだ。

肉の繊維がほぐれるほど柔らかく煮込まれている「すじチャーシューエッグ」450円
「すじチャーシューエッグ」が運ばれてきた時、そのビジュアルに心ひかれた。ほろほろと崩れるほどよく煮込まれたチャーシューの上に、黄身がとろりと流れる目玉焼きが美しく乗せられている。一口食べると、チャーシューの深いコクと卵の濃厚な味わいが口の中で溶け合う。肉の繊維がほぐれるほど柔らかく煮込まれており、長時間かけて丁寧に作られていることがよくわかる。この一品だけでも十分に満足できるボリュームと味わいである。自分はこのすじチャーシューエッグは毎回頼むほど、ぶた鉄の中でも一番の推しメニューだ。

部位ごとに火入れの時間を調整する「ホルモン皿ミックス」580円
「ホルモン皿ミックス(ネギ塩)」は、この店の看板メニューと言っても過言ではない逸品だ。様々な部位のホルモンが一皿に盛られており、それぞれの食感と味わいを楽しむことができる。特に感心したのは、部位ごとに火入れの時間を調整するこだわりである。レバーは中は半生、ハツは程よい弾力を残して、ガツは歯ごたえを活かしながらも硬すぎないように絶妙に調理されている。ネギ塩にんにくの味付けが、ホルモンの濃厚な旨味を引き立てている。

軟骨のコリコリとした食感が楽しい「軟骨ガーリックバター」190円
「軟骨ガーリックバター」は、小さなサイズながらも存在感抜群の一品である。こってりとしたガーリックバターの香りが食欲をそそり、軟骨のコリコリとした食感が楽しい。少量でも大満足できるのは、味の濃さと食べ応えのバランスが絶妙だからだろう。ビールのお供としては最高の一品である。

柴漬けの酸味と塩味がバイスサワーの爽やかさにマッチ「シバイスサワー」430円
「シバイスサワー」は、他では絶対に味わえない独創的なドリンクだ。柴漬けとバイスサワーの組み合わせという発想自体が斬新で、最初は戸惑いを感じるかもしれない。しかし、一口飲んでみると、柴漬けの酸味と塩味がバイスサワーの爽やかさと意外にもマッチしている。この組み合わせを思いついた発想力には脱帽である。まさに他にはない味として記憶に残る一杯だ。

ボリューム満点で、これ一品でお腹がいっぱい「フィーリーチーズステーキ」500円
「フィーリーチーズステーキ」は、まさにカロリーお化けという表現がぴったりの肉々しいサンドイッチである。香ばしく焼かれた肉にとろけるチェダーチーズがかかり、一口かじるとジューシーな肉汁があふれ出す。ボリューム満点で、これ一品でお腹がいっぱいになってしまうほどだ。アメリカンな味付けで、ビールとの相性も抜群である。

タコスのトッピングがされたカロリアスなつまみ「カロリードリトス」500円
最後に注文した「カロリードリトス」は、タコスのトッピングがされたカロリアスなつまみである。サクサクのドリトスチップスに、チーズやサルサ、アボカドなどがたっぷりと乗せられている。一口食べると、様々な食材の味と食感が口の中で踊り、まさにパーティーのような賑やかさである。シェアして食べるのにも適しており、仲間との乾杯にぴったりの一品だ。
この店のまとめ
- 隠れ家的な雰囲気
- もつ焼きが中心のメニュー
- 日替わりは奇想天外なおつまみ
- カウンター中心の小さな店内
基本情報
- 店名: 鉄板ホルモンダイニング ぶた鉄
- 住所: 東京都江東区亀戸1-39-1 ハピーハイツ亀戸1F
- 電話番号: 080-3939-5991
- 営業時間: 16:00〜24:00(日曜:13:00〜22:00)
- 定休日: 月曜日
- 予算: 2,000円位
- 駐車場: なし
ギャラリー
- つけもの10種盛りはこれだけで終わるつまみ
- それに対してつけものちょこっと盛りはちょうどいい
- 缶バッチも売ってました
- 日替わりのおにぎりも個性的
- 大阪土産をいただきました
- カロリードリトスは自分で混ぜる
- 辛味噌はほんとに辛いので気を付けて
- タコスの頭てきなもの
- タコスを作る具
- 日替わりはホワイトボードに手書き
- ハラミユッケ
- 牛すじ塩煮込み
- メニュー
- 初見を拒むかのような扉
- かしら塩
- おくらの浅漬
この店に関するリンク


















