ひっそり佇む穴場のおすすめ激渋居酒屋
この店の写真を見たとき、「これは多分大阪のどこかの居酒屋なのだろうな」と思った。その写真には入口のテントは傾き、すり切れた暖簾。店内の写真はお品書きを筆で描いたようなもの。これが名古屋駅から徒歩数分の場所にあるというから驚きだった。
店の雰囲気
写真で見たとおり、店先のテントは大きく傾いており、看板も首を傾げている状態。看板にも提灯にも灯りがともっているが、店の中は外から確認出来ないので入るにはすごく勇気がいると思う。
引き戸を開けると先客は10名ほど。奥の座敷で宴会ができそうな6名席と小上がりの4名席が3つとカウンター30名くらいが入れる広さ。外観とは違って、店内は古さを感じるものの、ちゃんとした清潔感がある。先客には若いカップルも居た。ファーストオーダーは瓶ビール。
注文の仕方は紙に書いておじさんに渡すスタイル。常連さんは口頭で伝えていたけど、店のルールに従って紙に書く。そうすることで注文漏れがなくなるとおじさんは言っていた。お店はおじさん(おじいさん)2名で切り盛りしているが、たぶん二人とも70歳は優に超えていると思われる。よって、紙に書いてあげた方が親切だ。
このビール瓶の後ろに移っている貼紙。最初は何のことなのかさっぱり分からなかった。内容からして、ワインの銘柄や日本酒の銘柄かと思いスマホで調べたが出てこなかったが、
実はこれ、写真は見切れて映っていないが花瓶に花(百合やその他)が生けてあり、その名前が書いてあった。こういうところはシュールで面白い。
店内のメニューが激渋。大きく賀茂鶴の筆書き広告があり、その下に一つ一つ丁寧に書かれた短冊メニューがぶら下がっている。これを書く手間といったら相当なもので、このおじさんのどちらかが書いているのであろう。こういう店のつまみ間違いなく美味しいと確信した。いろいろあって悩んだが、うるめいわしと北欧サラダをオーダー。
いわしを買ってきて家で焼くことはめったにない。家中が香ばしく焼魚の香りで充満してしまうからだ。よって、勝手言って申し訳ないが、居酒屋のメニューであれば必ず注文する一品となる。こういう肴を齧りながら日本酒を飲むのは最高である。
この北欧サラダはシシャモの卵を固めてマヨネーズやその他で味をつけたものらしい。歯ごたえは数の子のように感じる。この激渋メニューの中できらりと光る「北欧」の文字が逆にそそられる。ここでやっぱり日本酒が飲みたくなったのでオーダー。
熱燗で頼んだのでしばし待つ。目の前のカウンターにコップが置かれ、酒燗器から「ざばっ」と注がれる。うん、この表現で間違いない、実に豪快な注ぎ方だった。こういうのは実にいい。自分の中での「酒」の扱いはビール、ウイスキー、ワイン、そして日本酒もコップにドバドバ注いで飲む、アルコールなので、この店とは感覚が合う。追加でいくつかつまみをオーダー。
北海道産のさんまの丸干しのようなもの。初めて食べたが、じっくりと焼いてくれるので骨まで全部食べられるカルシウム補給バッチりなつまみ。
はんぺんと書いてあったけど、これは関東でいうさつま揚げ「千住の永見」のメニューにある千寿揚げと良く似ていて甘いタマネギがごろごろと入っているタイプ
丸干しいかとも言うワタが入ったまま干したいか。昔から大好きで、東京に住んでいた時も富山県のお店から通販で買っていたほど。初めて食べたのは「串のこたに」だった。
さて、この後、賀茂鶴熱燗を1合追加してお会計。
名古屋駅から歩いて数分の場所にこんなに赴きのある佇まいをしている居酒屋があるなんて驚きだった。こういう店は1年でも、1か月で長く続いて欲しいと心から願っている。そのためにも多くこの店に足を運ぼうと思う。多分、何回も通ってもこのおじいさんたちは温かく迎えてくれそうな気がする。
この店のまとめ
- 名古屋駅から徒歩12,3分
- 外観は少し傾いて見えて不安
- 店内はきれいになっている
- つまみがどれも美味しい
- オーダーは忘れるといけないので紙に書いて
基本情報
- 店名 : 和宏坊
- 住所 : 愛知県名古屋市中村区名駅4-16-7
- 営業時間 : 17:00-22:00
- 定休日 : 土日祝日
- 予算 : 2,000円
この店に関係するリンク
なし
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