沖縄旅の締めくくりは空港内の空港食堂が便利でリーズナブル
沖縄旅行も終わりが近づいてきている。まもなく搭乗時刻が迫ってくるが、まだ何となく物足りない。そんな時にふと思い出したのが、以前オリオンビール工場見学で聞いた話だった。「オリオンビールの瓶ビールは本土ではほとんど見かけないんですよ。製造コストと輸送コストの関係で、本土に出荷するのは缶ビールが中心なんです」という工場のガイドさんの言葉。確かに関東で暮らしていると、オリオンビールといえば缶のイメージしかない。瓶ビールのオリオンなんて、コンビニでもスーパーでも見たことがない。それを聞いてから、沖縄でオリオンビールを飲むなら絶対に瓶で飲みたいと思っていた。そういえば、この旅行中にオリオンの瓶ビールをまだ味わっていなかった。
空港内を歩いていると、到着ロビーの奥まったところに「空港食堂」ののぼりが見えた。観光客向けのレストランとは一線を画した、どこか庶民的な佇まい。時刻はちょうど昼過ぎで、フライトまでまだ時間がある。メンバーと顔を見合わせて「最後に一杯やって帰ろうか」という話になった。沖縄旅行の締めくくりにはちょうど良さそうだ。
店の雰囲気
店内に入ると、まさに「食堂」という名前がぴったりの雰囲気が広がっていた。観光地の洗練された沖縄料理店とは対照的で、地元の人が普段使いしそうな親しみやすい空間だ。テーブル席が配置されており、実際に空港職員らしき人たちも食事をしている。壁には手書きのメニューが貼られ、どこか懐かしい昭和の食堂の雰囲気を醸し出している。
入口近くにある券売機を確認すると、沖縄そばを中心とした麺類から、チャンプルー各種、定食類まで豊富にメニューが並んでいる。価格帯も600円台から800円台とリーズナブルで、空港内とは思えない良心的な設定だ。何よりも目を引いたのが「オリオン瓶ビール」の文字。やはりあった。これこそが今回の目的だった。
迷わずオリオン瓶ビールのボタンを押す。キンキンに冷えた瓶ビールが手に入ると思うだけで、既に喉が鳴っている。続いてメンバーと相談しながら、ゴーヤーチャンプルー、フーチャンプルー、スタミナ焼肉を注文した。券売機の前で「チャンプルー続きって意味不明じゃない?」なんて笑いながら、でも沖縄らしいメニューを選んでみようということになった。

瓶のオリオンは本土ではなかんか飲めない「オリオンザドラフト」650円
席に着くと、程なくしてオリオンビールの中瓶が運ばれてきた。琥珀色に輝く瓶を手に取り、グラスに注ぐとクリーミーな泡が立ち上がる。一口飲むと、本土で飲む缶のオリオンビールとはどこか違う。瓶特有のまろやかさというか、角が取れたような優しい味わいがある。「やっぱり瓶は違うな」とメンバーと頷き合いながら、沖縄旅行最後の乾杯を交わした。フライト前の慌ただしさから解放され、ゆっくりと流れる時間が心地よい。

沖縄といえば「ゴーヤーチャンプルー」650円 ほのかな苦味がとてもいい
最初に運ばれてきたのがゴーヤーチャンプルー。今回の沖縄旅行では実は初めて食べる一品だった。皿に盛られたゴーヤーチャンプルーを見ると、思っていたよりもゴーヤーの緑色が鮮やかで、豆腐、卵、ランチョンミートがバランスよく混ざり合っている。見た目は至って普通の家庭料理といった印象だが、一口食べてみると想像以上に複雑な味わいが口の中に広がった。
ゴーヤーの苦味が最初にやってくるが、それが豆腐のまろやかさと卵のコクで見事に中和されている。ランチョンミートの旨みが全体をまとめ上げ、最後にほんのり甘いタレの風味が余韻として残る。「これがゴーヤーチャンプルーか」と感動しながら箸を進めると、ゴーヤーの食感もまた絶妙だ。シャキシャキとした歯ごたえが残る程度に炒められており、苦味も強すぎず、むしろクセになる美味しさだった。沖縄の代表的な家庭料理の奥深さを実感する一品だった。

旅の最後はチャンプルーづくし(各650円)
続いて登場したフーチャンプルー。見た目はゴーヤーチャンプルーと似ているが、麩の白い色が際立っている。フーチャンプルーを口に運ぶと、まず麩の独特な食感に驚いた。ふわふわというよりは、出汁をたっぷりと吸い込んだスポンジのような弾力がある。噛むと中から旨みが溢れ出してくる。ゴーヤーチャンプルーとは全く違うアプローチの料理で、麩が主役になることでより優しい味わいに仕上がっている。豆腐と卵は共通しているが、麩の存在感が強く、食べ応えも十分。
最後にスタミナ焼肉が到着した。見るからにニンニクが効いていそうな、濃い色をした豚肉が皿いっぱいに盛られている。湯気と一緒に立ち上るニンニクの香りが食欲をそそり、まさに「ガテン系のつまみ」という表現がぴったりだ。一口食べると、予想通りニンニクが強烈に効いている。でもそれが嫌味ではなく、豚肉の脂の甘みと絶妙にマッチしていた。

またどこかを旅しようと乾杯
噛みしめるほどに豚肉の旨みが口の中に広がり、ニンニクの刺激がそれを引き立てる。味付けはやや濃いめだが、オリオンビールとの相性は抜群だった。ビールを飲んでは焼肉を食べ、また飲んではつまむ。この繰り返しが止まらない。「これは危険なつまみだな」とメンバーと笑いながら、あっという間に皿が空になってしまった。空港の食堂でこんなにガッツリとした料理が食べられるとは思わなかった。旅の最後にふさわしい、パンチの効いた一品だった。
この店のまとめ
- 地元の人も利用する庶民的な食堂
- オリオンビールの瓶ビールが飲める
- 空港職員も利用する地元密着型の店舗
- 搭乗前の時間調整にも最適
基本情報
- 店名: 空港食堂
- 住所: 沖縄県那覇市鏡水150 那覇空港ビルディング1F
- 電話番号: 098-840-1140
- 営業時間: 9:00-19:30
- 定休日: 年中無休
- 予算: 1,000円程度
- 駐車場: 那覇空港の駐車場を利用
ギャラリー
- 一人一本の瓶ビール



